2008年7月に北海道洞爺湖で開催されたG8サミットは、地球環境をテーマに世界から多くの首脳陣やメディアが集まり、地域のコンベンション産業にとって画期をなすものでした。しかし同時にそれは、大規模コンベンションと地域の自律的発展、グローバリゼーションのなかの地域の持続可能性(sustainability)など、多くの課題を私たちに投げかけています。
21世紀における地域の豊かで自律的な発展―コンベンションにかかわる私たちに課せられたこの使命を実現するためには、「創客・創流」の時代をコーディネートする組織や人材が不可欠であり、それぞれの地域にしっかりとしたコンベンション創造の主体を確立しなければなりません。
私たちはそのために、2006年、2007年と札幌で開催された「国際観光コンベンションフォーラム」に全国から集い、交流を深めながら、21世紀のコンベンション等の集客交流のあり方を構想し、その理論、技術、人材を鍛え、育成することを進めてきました。
その成果をもとに、さらにその活動を深化、発展させるためにグローバルな連携を推進し、アカデミックな視点を基盤に、持続可能な未来へ向けたコンベンションの創造的存在意義を研究することを目的とし、ここに『日本コンベンション研究会』を設立するに至りました。
この研究会は、領域をこえ、地域をこえた、知と人と思いの場であり、共創の場であります。
また日本の各地域において、歴史、文化、産業、人などの地域資源を活用し、ダイナミックに集客交流を創造する担い手たちの連携でもあります。
近い将来において、共創・連携が実を結び、地道な研究活動が着実に成果を挙げていく状況となれば、この会を『日本コンベンション研究学会』へと継続発展させていく所存です。
このような「学会」といえども、設立の趣旨を踏まえ、実学を基盤とした活動を目指します。
人間の自由で豊かな移動と交流の時代に、希望ある地域を創造する。 その理想に向かって、私たちはここに手を携えます。